株式会社岡田設計 株式会社岡田設計

音更町役場庁舎
耐震改修及び増築

音更町

2017

構  造 増築:
鉄筋コンクリート造
既存耐震化:
鉄筋コンクリート造
階  数 3F
3F
延床面積 3,575㎡
6,016㎡
竣  工  年 2020年
2020年

本庁舎は昭和52年に建設された地下1階地上4階(塔屋2階)の新耐震基準以前の建物です。構造耐震判定指標の基準値を下回っていたため、財政面・将来性等を勘案し、平面・配置・外構計画等を様々な角度から総合的に検討を行った結果、増築・既存減築及び耐震補強を行いました。

【既存耐震化の検討】
本庁舎は各階異なる平面形状であったため、耐震壁の配置を行うと執務空間への影響が大きく、各部署が細かく分断され庁舎機能を維持することが困難でありました。そこで塔屋を含めた4階以上の減築を行うこととし、内外部の耐震補強を最小限に抑えることで現状とほぼ変わらない執務環境と耐震性能を確保しています。2年を超える工事期間では増築棟を先行し内部移動を行い、既存部は騒音に配慮した解体工法を採用し、庁舎機能を継続しながら工事を行いました。

【利便性の向上と歴史の継承】
増築棟1階部分は利用者の多い部署を集約し、玄関ホールから総合案内・ワンストップサービス窓口へと利用者が分かりやすい誘導動線とし、各種手続き及び案内など利便性・執務作業性に配慮した計画としております。また、町民に親しまれた建物の外観、駐車場形態、植樹等は可能な限り残す計画としながら建物は増築棟・既存棟共、乾式レンガタイルの外断熱工法を採用し、外観イメージの継承を行うと共に耐久性、維持管理性、耐震性の向上を図り、さらにヒートポンプエアコンを全館で採用し、CO2削減、省エネ等における環境配慮・機能性向上を図っております。

【災害時の対応】
増築棟に設置した特別会議室は災害発生時には対策本部としての機能を有します。情報の要となるサーバー室は床免振とし、72時間稼働の非常用発電機及び20kW太陽光発電により最小限の電源を確保しています。床下ピット内には災害用便槽・水槽を設け、庁舎機能の持続確保と迅速に町内、道内の情報収集・対策を行える設備を兼ね添えた災害に強い庁舎としております。