市立札幌開成
中等教育学校
2012
構 造 | 鉄筋コンクリート造・鉄骨造 |
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階 数 | 3F |
延床面積 | 15,198㎡ |
竣 工 年 | 2014年 |
【教科教室型の多様な学習環境】
教科教室型運用の専門性を高め、1階には国語科・社会科ゾーン、2階には数学科・理科ゾーン、3階には、英語科・実技メディアゾーンなどゾーニングを明確にしています。教科ゾーンごとに設置した教科センター・教材庫・展示コーナーを中心に、各科講義室・ゼミ室を配置し、場合に応じて講義室の間仕切りを可動にし、オープンスペースとして利用するなど様々な学習の場面をつくり出す工夫をしています。2階の理科ゾーンについては、札幌開成高校から引き継がれた“コズモサイエンス”の特色を生かし実験室を充実させています。
【中庭をもつ回遊型校舎】
大学の授業風景を思わせる教科教室型の授業方式により、生徒が時間割に応じて各教科ゾーンから別の教科ゾーンに移動して授業を受けるため、限られた時間の中でよりスムーズな移動ができるよう、また、他のカリキュラムの生徒との動線の交錯が最少になるように“回遊型”の校舎としています。行き止まりのない回遊型動線は、校内のどこからも移動しやすく、緊急時の避難経路も複数方向に確保でき、安全に避難できると考えます。また、回遊型校舎の中心部には中庭が形成され、各室へ充分な自然採光や外気を取り込むことができます。校舎で囲まれた中庭は、新たな学校のシンボル的空間として、全校集会や日常の生徒の憩いや語らいの場、思い出の場になってくれることを期待しています。
【色彩計画と地域との調和】
新設校舎は、規模の大きな建物であるため3階建てとして、住宅街など低層の建物が多い周辺への圧迫感や日影の影響を極力少なくし、校舎の壁面線を西側幹線道路に沿って周辺とそろえ連続性のある街並みとして一体感を図り、住宅街とバランスのとれた色調を選定するなど、周辺環境との調和を考慮しています。特に校舎外部の色調については、札幌市で策定した『札幌市景観70色』から選定し、主体色の白系は『雪灯り』、アクセント色のアースカラー系は『エゾリス』、濃グレー系は『ふくろう』など札幌の自然にちなんだ色彩としています。また、中庭テラスにはレンガや木質系のデッキを使用し、校門や内装に『札幌軟石』を材料として使用するなど、地域性を意識し、市民に親しまれる学校施設を目ざしています。