芽登集落センター
2019
構 造 | 木造(CLT併用) |
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階 数 | 1F |
延床面積 | 488㎡ |
竣 工 年 | 2020年 |
足寄町芽登地区におけるコミニュティーセンター・へき地保育所・郵便局からなる多用途の機能を有した複合施設です。木造平屋建ての構造はCLT+在来工法を採用し、それぞれの利点を活かした工法を特徴としています。基本設計・実施設計・施工現場と各フェーズにおいて日本CLT協会の支援を受けながらワークショップや構造見学会を通じてCLTの普及PR・情報提供・設計者の育成などの活動を設計時・建設時に並行し行っております。
【平面計画とCLTの活用】
平面は各用途をリニアに配置することで、シンプル且つ明確にエリア分けが可能となっており、東西に長いことを活かし、駐車場・園庭エリアを建物で分け、園児の安全と利便性を確保しています。地域の住民が利用する集会室はCLTを現しで使う事で、木の香り、存在感、保湿吸湿性能などを強く感じることが出来る重量感のある面材で構成する空間とし、あわせてCLTをどのように使用しているかを見て触れる仕組みを作っています。集会室の斜め柱にCLTを採用するにあたり、園児の身長なども設計時に確認しながら柱の角度を決めることで圧迫感の軽減と衝突による安全対策にも配慮しています。
【CLT工法の特徴と施工上の配慮と工夫】
主体構造は在来軸組工法とし、集会室では道内で製作可能なCLTの最大サイズ1.2m×6mを町産カラマツ材現しで採用し、床板・柱・梁として使用する10.92m×17.29mの大空間の構成としてます。設計初期段階から材種や製作材料の限界値、歩留まりの良さなどをヒアリングし合理的なサイズを設計に反映しています。約11mスパンのCLT梁を製作する際、CLTの厚みの差を利用し、落とし込みによる部材の接合を行っています。また斜材による補助を行うことで、梁接合部の応力負担を軽減し、各部材は高耐力ビスで接合することで特殊な製作金物を使用せず簡便な接合法でスピーディーな施工を実現しております。最大長さ6mの道産CLTを工夫して組み合わせることで、長いスパンを構成できたことは今後の道産CLT活用においてその促進につながることと思われます。